2008年1月28日月曜日

■4番目だった男

初めての恋は、彼女の浮気という形で呆気なく幕を閉じた。

喫茶店で打ち明けられた。
どうやら、俺と付き合う前から複数の男と交際していて、本命の彼氏にそれがバレて面倒になったことらしい。

つまり、浮気相手は俺の方だった。
でも、そんなの信じたくない。

「だーかーらぁ。あんたとは最初から暇つぶしだったんだって。わかる?」
「何?1回きりで本気にしちゃったわけ?」

俺は千円札をテーブルに叩きつけ、傘も上着も持たず、土砂降りの店外へと飛び出し、がむしゃらに走った。

本気だったんだ!チクショー!

ズシャアー!!

思いっきり転倒した。
傘を差した通行人が、俺を避けて足早に歩いて行く。

いてぇ、いてぇ…。
立ち上がる気力なんかない。
コンタクトもどっかに流れていった。
こうやって、顔を伏せたまま、排水溝に流されていきたい気分。

「あの、大丈夫ですか?」

暖かい声と同時に雨が当たらなくなった。
誰かが傘の中に入れてくれている…?

…あ、そうだ、お礼を言わないといけない。
シャツの袖で鼻水を拭いて、顔をあげた。

白いロングコートの女性…。
何だか天使に思えた。

「大丈夫ですか?立てますか?」
そう言って、差しのべられた彼女の手には


…ベーコン。

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