2008年2月28日木曜日

■サガ子さん2

放課後。
今日はサガ子先輩との投げ抜け練習日だ。
鼻歌を歌いながら、部活に向かう準備をしていると、ロッカーから見慣れぬ封筒が落ちてきた。
--校舎裏にて待つ。滅。
果たし状かよ。めんどうくさいな。
○●○●○●○●○●○●○●



「ふ、ふみは見てくれたのか?」

えーと君は、隣のクラスの豪鬼子(ごきこ)さんだっけ?
もちろん。だからここにいるんじゃないか。

「そ、そうか。我が心眼いまだ開かずじゃな…。」

………。

あのー、部活があるから用件を手短にお願いしたいんだけど。

「わ、わかった…。う、う、う、うぬには、こここ、恋人とかおるのか?」

いや、いないけど。(二人称が"うぬ"だなんて、古風な女の子だなー。)

「そそそうか。では、我と付き合ってもらおうか。我恋を極めし者也。」

えっ?えっ?あのー、気持ちは嬉しいんだけど、
僕にはサガ子先輩という大事な人がいるから。ごめんなさい。
(本当は豪鬼子さんのようなおしとやかな子もタイプなんだけどね。ポニーテールかわいいし。)

「くっくっくっ…。」



「笑止!」

ひっ、すみません!


 《ブオーン》
残像を残しながら近づいて来る君の姿は、とても優雅で美しく、僕は一歩も動けなかった。


《ズガガガガガ》
肩を掴まれた瞬間に、突然の暗転。
暗闇の中で押し倒されて、ひたすら叩き込まれる15発。
理性なんてもうない。気が遠のいていく。
なんだかあたまがおかしくなりそうだ。




《天!》
暗転が開けた後、僕は彼女の足元に倒れ伏していた。
大切にしていたものをあっけなく奪われた…。
そんな感じがした。

出会ったばかりの女の子との瞬獄殺。
殺意の波動に魅せられたとはいえ、僕はとんでもない過ちを犯してしまったのだ。

あいぐー
あいぐー

どこか遠くで、先輩のタイガーショットのかけ声が聞こえる…。

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